パイプライン
自己疼痛管理用医薬品製品 SyB P-1501
概要
SyB P-1501

SyB P-1501は、患者さんが手術後に生じる痛みを自己管理するための医薬品です。 患者さん自身が、腕や胸部に貼付されたカード大の製品上にあるボタンを押すことにより、イオン化された一定量の鎮痛薬が経皮的に移行し鎮痛効果が得られる、針を使用しない非侵襲性の自己調節鎮痛(Patient Controlled Analgesia, "PCA")法です。 シンバイオは、2015年10月2日にThe Medicines Company社(米国)からSyB P-1501の日本における独占的開発権・販売権を取得しました。 現在のPCA法では、静脈内に留置した注射針、あるいは脊柱管内に留置したカテーテルとPCA用ポンプをチューブで接続して、鎮痛薬を投与しています(静脈内PCA、硬膜外PCA)。これらのPCA法による手術後の疼痛管理を受ける国内の患者さんの数は年間およそ100万人と推定されています。SyB P-1501は、皮膚に貼って使用し、患者さんが術後の痛みを感じたときにコントローラーのボタンを押すことで、イオン化された鎮痛薬が経皮的に投与されます(イオントフォレーシスの原理)。このように投与された鎮痛薬は、針を使用せず無痛でありながら注射と同等の迅速な鎮痛効果があり、患者さんの身体的・精神的負担を大幅に軽減し、治療満足度を改善することが見込まれます。また、従来のPCA法に比べ安全性かつ簡便性に優れることから、医療機関の労力・費用を低減する効果も期待されます。 本製品は、米国では2015年4月30日にアメリカ食品医薬品局(FDA)より医薬品の承認を受け販売が開始されています。また欧州でも、2015年11月20日に欧州医薬品庁(EMA)より承認を受けています。 国内では既に健康成人を対象とした第Ⅰ相臨床試験において良好な安全性が確認されており、シンバイオは早期に第Ⅲ相臨床試験を開始する予定です。 SyB P-1501を用いた画期的なPCA法の確立は、患者さんと医療従事者にとって大きな利便性をもたらし手術後の生活の質(Quality of Life : QOL)を高めることが期待されます。

術後疼痛管理の現状

一般に手術後には様々な痛み(疼痛)が発生します。これらは呼吸、循環、代謝に悪影響を及ぼし、精神的ストレスや早期離床の妨げになるため、適切な鎮痛方法で安全かつ確実に痛みをコントロールすることが重要です。
痛みは患者さん自身にしかわからない感覚で客観的な評価が難しいものであり、また、同じ手術を受けた患者さんでも「痛みの程度」や「鎮痛薬の必要量」には個人差があることから、医療現場からは個々の患者さんに合わせた術後疼痛管理の重要性・必要性が訴えられています。現在では、多くの医療機関において、患者さん自身が痛みの自覚の程度に応じて薬剤の投与のタイミングを調節し鎮痛効果を得る疼痛管理方法、いわゆる「自己調節鎮痛(Patient Controlled Analgesia, "PCA")」法が導入されています。
これは、電動ポンプなどのPCA専用の機材を医療従事者が設定し、痛みのあるときに患者さん自身で機器を操作して、効果的な量の鎮痛注射剤を硬膜外や静脈内に投与することにより鎮痛する方法です。
従来のPCA法では、①静脈内や硬膜外への侵襲性を伴うことから身体的・精神的負担が大きく、また、②医療機関にとっても、医療従事者が電動ポンプの購入、設定、維持管理、投与用チューブの接続などを行う必要があり、その労力やコストを負担しなければならないなどの課題があることから、患者さん・医療現場からは、より安全かつ簡便な方法により確実に鎮痛効果を得られる新たなPCA法が求められています。