患者様・ご家族の皆様へ
悪性リンパ腫のお話
3. 悪性リンパ腫の検査と診断

悪性リンパ腫の検査には大きく分けて、①病気の種類(病型)を決定するための検査、②病気の広がり(病期)を調べる検査、③全身状態を調べる検査の3つがあります。

① 病気の種類(病型)を決定するための検査

悪性リンパ腫であることと、悪性リンパ腫の種類を診断するための検査です。リンパ節や腫瘍の一部を外科的に採取(生検)し、組織を顕微鏡で観察します。リンパ腫の細胞の形や性質を詳しく調べて、病型を診断します(病理診断)。顕微鏡観察の他に、遺伝子の検査を行うこともあります。
また、腫れているリンパ節に針を刺して注射器で吸引する検査方法(細胞診断)が行われることもあります。この検査によって、悪性リンパ腫の診断ができることもありますが、病型の確定診断はできません。したがって、治療まで一刻の猶予もないような特殊な状況を除いては、生検による病理診断が行われます。

悪性リンパ腫の検査と診断

② 病気の広がり(病期)を調べる検査

病変の大きさや、どこまで広がっているかを調べるための検査です。病気がどのくらい進行しているかは、治療効果や予後に影響するため、とても重要です。

● 胸部X線検査
一般的なレントゲン写真による検査です。
● 超音波(エコー)検査
体内における超音波の反響を利用して、腫瘤の大きさや分布などを調べます。
● CT検査、MRI検査
CT検査はX線を使って、MRI検査は磁気によって、体の内部を視覚化し、病変の大きさや広がりを調べます。
● 骨髄検査
主に腸骨という腰の骨に針を刺して骨髄液を吸引する骨髄穿刺、あるいは少量の骨髄組織を採取する骨髄生検によって骨髄中の細胞などの検査を行います。
● 消化管内視鏡検査
内視鏡で胃の内部の病変の有無を調べたり、組織の採取を行います。必要に応じて大腸内視鏡検査なども行います。
● PET検査、ガリウムシンチグラフィー
放射性物質を含む薬剤を注射して、その取り込みの分布を撮影し、全身の癌細胞を検出する検査です。現在ではより有用性の高いPET検査が多く行われるようになってきました。
● 脳脊髄液検査
腰椎の間に細い針を刺し、脊柱管の中にある脳脊髄液を採取します。リンパ腫細胞が脳や脊髄に広がっていることが疑われる場合に行います。

③ 全身状態を調べる検査

全身状態を把握するために、心臓・肺・肝臓・腎臓などの機能や、原因となるウイルス感染の有無、合併症の有無を調べる検査です。血液検査、尿検査、心電図検査、心臓超音波検査、血液ガス分析などが行われます。
多くの検査を行いますが、適切な治療方針を決定し、安全に治療を行う上では欠かすことの出来ない検査です。