CSRの取り組み
社長対談

第4回

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第4回 シンバイオ・モデルで「共創・共生」の実現を期待(早稲田大学ビジネススクール教授:松田修一先生) プロフィールはこちら
競争相手がいないブルーオーシャン
松田
シンバイオ製薬が先に市場に出した新薬は、ドラッグ・ラグが指摘される日本で、導入して5年間という非常に短期間で承認を得ることができましたね。
吉田
多くの皆さまに驚かれました。新薬開発の常識を超えていますから。
松田
やはり、よい治療薬が無い、空白の治療領域を対象にする薬で、海外で既に開発が進んでいるか、上市されていて効果と副作用が確認されている新薬を世界中から日本に持って来るという事業戦略の狙いが的中したということですね。
吉田
そうですね。それに加えて、より効果の高い薬で治療を受けたいという患者さんや先生方の熱意に強く後押しされ、臨床試験も予想以上に早く仕上がりました。
松田
ドラッグ・ラグの原因の一つに、治験の問題があるようです。新薬の効果と安全性を確かめる治験が、日本では協力する患者さんが集まりにくい、コストが諸外国に比べて高い、忙しい先生方が診療の合間をぬって治験を手がけても十分に報われないなどで、なかなか進まない。中には中国や韓国で治験をするところもあると聞いています。その点、シンバイオ製薬はうまく行ったのですか。
吉田
今回承認を取りました再発・難治性低悪性度非ホジキンリンパ腫については良い新薬が開発されてこなかったこともあり、一日も早く使えるようにしてほしい、という試験に携われた先生方の協力もあり、幸いなことに多くの患者さんに試験に参加を頂くことができました。 昨年導入した再発・難治性骨髄異形成症候群(MDS)の新薬についても同様で、この分野の先生方は大変強い関心を持っておられ、熱心にご指導を頂いております。その薬は、再発したら輸血ででしか生き延びるしかないという難しい治療領域で、そのために新薬の開発が遅れており空白化した治療領域といえます。欧米の試験において再発難治性MDSに対して高い治療効果が確認されており、そのデータをご覧になって先生方も病気に打ち勝つ手立てが得られると、承認を待ち望んでおられます。
松田
それは期待も大きいでしょうね。
吉田
アメリカではすでに最終の第Ⅲ相試験に入っています。いわゆるPOC(Proof Of Concept:概念実証)が確立されていますので、そのデータを臨床試験に携われる先生方にご覧いただき試験の準備を進めています。先生方は非常に前向きです。いままでよい新薬が開発されてこなかったものですから、目の前の患者さんに輸血するしか治療方法がないという、本当に切実な状況です。
松田
そのような先生方の意気込みがあると、承認への期間が短縮されるうえ、開発費も低減されますね。しかも、空白の領域だったわけですから、そこには競争相手がいません。
吉田
いわゆるこれが、ブルーオーシャン戦略です。空白化していた治療領域というのは、文字どおり見渡す限り青い海であり、血みどろのしのぎを削る競争をする必要はないのです。