CSRの取り組み
社長対談

第1回

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第1回「1日でも長く生きて、新しい治療の恩恵を受けましょう」を合言葉として(エッセイスト:岸本葉子さん) プロフィールはこちら
日進月歩で高まる薬の有効性
吉田
軽快なタッチのエッセイで多くのファンを持つ岸本葉子さんですが、
私も毎週水曜日、日本経済新聞に連載されている「シングルの老いの支度」を
楽しみに読ませていただいています。
岸本さんより年齢もだいぶ上で性別も違う私が岸本さんの文章に共感するのは、
さり気ない語り口の中に、ものごとの核心にストレートにアプローチする
透明で飾らない視線を感じるからでしょうね。
岸本
ありがとうございます。
吉田
今日は、そのようなまなざしでご覧になったご自身のがん患者としての
不安や生活上の課題についてお伺いし、
さらに、私たちがチャレンジしている新薬への取り組みについて
ご一緒に考えていただければと思います。
岸本
よろしくお願いします。
吉田
岸本さんの体験を少しお伺いできればと思います。
がんと診断されたのは何年前ですか。
岸本
もう10年になります。
吉田
初めにがんと診断されたとき、手術や抗がん剤、放射線療法など、
治療の選択肢について主治医から説明があり、
ご自分でもいろいろ調べられたことと思いますが、
いまから思えば、もっとこうすればよかったというようなことはありますか。
岸本
がんにはさまざまな局面があり、私の場合はそれに応じて、
がんについて段階的に理解していったという感じでした。
まず診断について告知を受ける段階。次に、治療についての説明を受ける段階。
そしていよいよ治療がひと区切りつき、予後について説明を受けるという、
大きく3つの局面があると思います。
最初はがんであるという事実を受け止めるのに時間がかかるので、
第2、第3の局面で受けるような説明を一度にされても、
たぶん理解しきれないと思います。
ですから、一度に全部というのではなく、
その局面ごとに説明を受けるのが理解しやすいと思います。
振り返ってそのようだったので、よかったと思います。
吉田
主治医を信じることはもちろん大事ですが、
果たしてそれが自分にとってベストな治療か否かという
疑問は持ちませんでしたか。
素直に受け入れられたのでしょうか。
岸本
私のがんは虫垂がんですが、診断時はS状結腸がんということでした。
自分なりに調べてみると、S状結腸がん、もしくは大腸がんの場合は、
手術が第一選択肢だとどの本にも書いてあり、
薬は手術後の補助療法か再発後の選択肢となっていました。
ほかのがんより選択肢は少なく、当時はまだ腹腔鏡手術なども
一般的ではなかったので、まずは開腹手術ということでした。